車紹介 シボレー ザフィーラ Chevrolet Zafira

  • シボレー ザフィーラ。FF,2L横置き4気筒ガソリン、7人乗り。


  • 全長1742mm,全幅4334mm,最大高1629mmのコンパクトな車体。

  • 走りも固めで欧州車のようです。ハンドリングも弱アンダーステアで運転しやすい特性でした。



    リアに付いている牽引用ヒッチボールマウントは後ろの車が追突してこないように付けました(確か日本円で数万円)。何かをけん引したいのですが、牽引する何かを持っていません...。


  • 治安対策として、横も後ろもかなり濃いめの黒いシートを貼ってもらいました。法律的には黒過ぎると違反らしいのですが、車内が見えると強盗に会う確率が格段に高くなるようなので、ブラジルの車はこんな感じに真っ黒な窓にしていることが多くあります。警察も色の濃さで文句を言うことはない感じです。


  • このサイズで3列とは思えないのですが、3列目も、そこそこ実用性があり、設計としては優秀だと思います。

  • 正面の顔つきは、この年代のシボレー車と共通の雰囲気。


  • インパネ回り。2連のホワイトメーターに燃料計と水温計。非常にオーソドックスな感じです。スピードメーターは220km/hまで刻んであります。 おそらくそこまで出ませんが。

  • 照明を付けるとアンバー系の光に包まれます。

  • 1DINサイズのオーディオに、オートエアコンという必要にして十分な設備。この時代の欧州車はナビを付けるだの、モニター画面を付けるだのといった発想はありません。


  • ボンネット内も見てみましょう。
  • 横置き直列4気筒DOHCガソリンエンジン。マニュアルによると「Potência máxima líquida Gasolina 121 CV (89,5 kW) a 5.200 rpm、 Álcool 127,6 CV (93,8 kW) a 5.200 rpm
    Torque máximo líquido Gasolina 179,5 N.m (18,3 kgf.m) a 2.600 rpm、Álcool 192,3 N.m (19,6 kgf.m) a 2.400 rpm 」とのこと。
  • つまり、ガソリンを使った場合、最大出力121PS(5200rpm),最大トルク179,5 N.m (18,3 kgf.m) (2600rpm)、エタノールを使った場合、最大質力127.6PS(5200rpm),最大トルク192,3 N.m (19,6 kgf.m)(2400rpm)とのこと。言い忘れていましたが、このエンジンはガソリンとエタノール完全共用型なのです。どちらをどの割合を入れてもOK、というわけです。

  • エタノールは単価がやや安く力も強い、ただし燃費が落ちる、始動しにくいという特徴があります。そこでエタノールメインで使っていると始動しにくい時用のために始動用ガソリン専用タンクがついています。この赤いキャップがそれです。


  • バッテリー Bateria。 マニュアルの規定では 55 Ahですが60Ahのものが付いていました。ただし、このメーカーも良くわからず、この製品の信頼性も怪しいものです。信頼度は日本の7割くらいでしょうか?


  • ボンネットに貼ってあったシール。オイル交換は6カ月か5000kmでしてね、とのこと。

  • ボンネットに貼ってあったシールその2。エアコンの代替えフロンガスR134aについて書いてあります。ちなみに下部はスペイン語。南米の他にも販売される前提なのかも。ちなみに2語併記はこのシールなど数点のみ。


  • ラジエター付近のシール。「エンジンが止まっていても、熱い時は噴き出すかもしれないので注意」という文言。


  • オーディオはCD+ラジオ、そしてUSB対応のものにしました。生産はソニー・ブラジル製。こちらでは日本のように「MD」というメディアの移行過程がないので、CDのあとすぐにメモリーオーディオが発達しました。よって、USBやSDカードの対応は日本よりは進んでします。また、国として電源管理が怪しいので、電源回りは日本のものよりも強化されているそうです。


  • 内部の様子。こんな写真でごめんなさい。車内の様子です。チビチビがいる家庭にとっては3列シート7人乗りは、飽きてもあっちへ行ったりこっちへ来たりできてありがたいです。


  • 絶景の場所が多いブラジル。このザフィーラで、色々な場所を走りました。

シボレー ザフィーラ Chevrolet Zafira

「自家用車をもつべきか・持たないべきか・・」。これは日本においても大きな問題になっていることですよね。国外居住者にとっても事情は同じ。車を持つ利便性に対して、所有のリスク、コスト負担と多数の課題があります。でも・・・・とにかく外国好きで、車好きで、どこかに出かけることが大好きな自分は、ブラジルでも車が欲しいな、乗りたいな、という思いでした。

 

【車種選定】

さていざとなるとその車種選定にとにかく悩みました。一つ目の悩みどころが「価格の高さ」です。ブラジルで販売されている車は、日本に比べてとにかく価格が非常に高いのです。HONDA のFITなども多数走っていますが、お値段は約日本円で300万円。TOYOTAのカローラも500万円から700万円ほどしますし、他のブランドも似たようなものです。円-米ドル-ブラジルレアルの為替の変動で実際の相場は乱高下するのですが、それを抜きにしてもとにかく高価。これらは基本的に税金の関係と言われています。自国産業を徹底的に保護するブラジルでは、関税は恐ろしいほど高く、そして自国製品にもものすごい税金をかけているとのこと・・・。
二番目の悩みどころとして「犯罪をいかに避けるか」ということ。悲しいかな、治安が最悪がブラジル。車を狙った犯罪も頻発していて、それに対して少しでも有利なものを選ぶ必要があります。こちらではお金のある企業ならば(特に日本の大企業などは)社用として防弾仕様車を運転手付きで用意していますが、自分はそうではありません。また中古車市場にも富裕層、または外国人駐在員向けとして普通に防弾車が販売されていますので、それを買うのも一つの手ですが、実際にはガラスやドアがものすごく重く、タイヤやサスペンションがすぐに劣化して交換が必要になったり、窓は一切開かなかったりと使用に制限があります。また買うときは非常に高価でも手放すときはものすごく安くなるなど自分にはあわない、と感じました。またいかにも高級車は狙われやすいとのことで、ドイツ御三家あたりは絶対に避けた方がよいとのこと。またVWなどは統計的に盗難に遭いやすいので保険料も割高になっているそうです。・・・などなどいろいろ考えた末、結果的に「どこにもありふれている車種」のほうがよさそうだ、との結論に達しました。

     そして3番目の悩みごととして、ブラジルの交通事情・交通法規との関係です。ブラジルでは普通免許で最大で7人乗りまでしか認められていません。よって、日本で言うミニバン系の流通はほぼゼロ(そもそもミニバン自体が日本独自といっても良いものですが)。我が家はチビが2人いる4人家族ですが、チビがいるからこそ、できたら3列シートで車内はできるだけ広い方がありがたいが、でも狭い駐車スペースを考えると小さい車の方がいいな・・・と考えました。

     以上の条件を考えて、超高額ではなく、一般的でブラジルで良く走っている車で、3列シートの7人乗りでやや小さい車、ということで、シボレー ザフィーラにしました。

     この車、日本でもスバル・トラビックとしてOEM販売されていたり、オペル・ザフィーラとして、ドイツやタイから輸入されていたりして販売されていましたのでご存じの方も多いと思います。そのブラジル生産車がシボレー ザフィーラです。この車はタイ生産のスバルブランド車と、ドイツ生産のオペルブランド車の価格差が大きく、結果的に日本からのオペルブランド撤退のきっかけと言われているモデルです。

    外国車にしてはパッケージングも良く、ハンドリングもそこそこで、良くできたクルマだなぁと思います。