BMW 2 Series Active Tourer (F45)

F45と呼ばれる形式の218d。


ここから見ると、国産車でもよく見るスタイル。


リアの感じは良いまとまりをしています。


サイドビュー。


この形が一番しっくりくるかも。美しい造形です。

 


直列4気筒 1995cc DOHC ディーゼルターボ。



最大出力150pm/4,000rpm  最大トルク33.7kgm/1,750-2,750rpm


 




 


 


 


 


 


 



 


 


 


 




















 

 

 

 

 

 

 

 

 

BMW 2 Series Active Tourer (F45)

「BMWが、FF車を出す。しかもファミリーカーのようになるらしい・・・」こんな話を聞いてから、「ウソだろ」「まさかまさか」と思ったのは自分だけではないはず。「BMWといえば、FRで直6エンジンを積んで・・」と思ってしまうのは単なる固定観念であって今では、直4もV8もフツーで、そもそもオマエも4駆(X-Drive)に乗っているじゃないか・・・といわれればそれまでなのですが、そうは言っても、1シリーズのように室内が狭くなってもFRを貫いてきたのがBMWの血統のはず・・・、なんて思っていました。
確かにメルセデスなんかもAクラスなんかはとっくにFFでしたし、VクラスなんかもVIANOなんぞはFFベースでしたし、昔ほど駆動方式にこだわる時代ではないことは確かですが、BMWファンとすればやっぱりFRは死守して欲しい・・・。そう思っていました。

・・・・実際に2シリーズに乗る前は。

いろいろあって、そのBMWらしからぬという2シリーズに乗る機会があったので紹介します。

 

【2シリーズの印象 走り】

室内に収まると、現代のBMWらしい機能美のインパネ回りがカッコイイです。エンジンをかけると、これまた静かで、なんだかいつもBMWらしくない大人しさを感じます。走りだしてみると、これがまた、良い意味で想像と違います。きびきびと、しかも安定してよく進む直進性。カーブを曲がるときも、心持ちアンダーステアを感じますが、全く違和感なし。国産の同クラスのFF車に比べても、非常に制度の良いステアリングです。エンジンも静かに良く回り、ここぞと踏み込むと、それなりの力強い加速を見せてくれます。ちなみに自分は218id(直4 2Lディーゼルターボ)と225i X-Drive(直4 2Lガソリンターボ)の両方を乗り比べてみましたが、当然ディーゼルの方が加速がゆっくりだけどトルクフル、などはありましたが、それぞれ非常に洗練され使いやすい域に設定されている印象がありました。

・・・・正直、直4横置きのFF車でこんな走りができるのならば、「これなら直6でなくても、FRでなくても、十分だ!」と感じてしまいました。

 

【なぜ、BMWのFFがこんなに走りが良いのか】

自動車評論家ではないので、正確ではないと思うのですが、一言で言うとあの、MINIと共通のBMW UKL platformを使用しているからだと思います。

 MINIといえば、そもそもはブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が開発した車で、生産・販売会社が多数変わっていったものの40年以上生産され、まさにイギリスを象徴する車でしたが、ローバーの時代(1994年)にBMWが買収。しかし結局BMWはローバーを抱えきれず2000年に手放します。その際、ランドローバーはフォードに譲渡しますが、BMWは1ポンドでMINIの商標だけを手元に残した・・・なんて話をどこかで聞いたような気がします。BMWはランドローバーのノウハウを取り入れ、SAV(初代X5 E53)を開発。MINIは、BMW Miniとして初代MINI(R50) を発売。そこでFF車作りのノウハウを磨いていき、その集大成の一つが、UKLプラットフォームというわけです。

 2シリーズはF55/56型MINIと同じUKLプラットフォームを利用していますので、あの、走りについても評判の良いMINIと同じベースとなれば、それはしっかりした走りになる、というわけです。

 

【2シリーズの印象 デザイン面】

エクステリアは、ファミリーカー用途にしてはBMWっぽくまとめた印象です。居室空間を最優先にしなくてはならない中で全体のバランスを保っている、という印象です。近くで見ると良い感じなのですが、自分が唯一感じる違和感は、対向車として遠くから走ってくる2シリーズを見た時、一見、「あっ、いつものキドニーグリル(BMW)だ」と思って視線で追うのですが、キドニーグリル車にしては、ボンネットの傾斜角が急すぎてそこだけ妙な圧縮感という違和感を感じます。まぁ、いつものデザインに慣れ過ぎて、キドニーグリルからロングノーズのデザインばかりをイメージしているだけなので、慣れれば大したことないのですが。

 

【方向性として】

今、自動車業界は電動化、自動運転技術など大きな転換点に差し掛かっていると言われています。そんな時代の大きなうねりの中で、BMWがいろいろな可能性を探っていくのは当然なのでしょう。正直「BMWは直6、FR」とこだわっていた自分が、ものすごく古い考えにかたまっていた人間だと教えてくれたのが、この2シリーズでした。これはこれで、とても良くできたBMW車だと思います。